国産うなぎと中国産うなぎの違い
食品スーパーで売っているうなぎには食品偽装(表示偽装)がない限り原産地が明記してありますよね。
鹿児島県産・宮崎県産・愛知県産・静岡県産・高知県産等、そして中国産。
では、うなぎ屋専門店や飲食店で食べるうなぎはどうでしょう?
産地を明記しているお店と、明記していないお店があります。
もちろん、産地を明記していないお店でお客様が勝手に「国産」と思い込んでいるお店もあるでしょう。
では国産と中国産のうなぎの違いは何でしょうか?
➀値段
国産のうなぎは1尾4,000円近くすることもありますが、中国産は1,500円程度と大きく値段が違います。
②養殖方法
日本では「ハウス養殖」が主流とし、中国では広大な土地を利用した「露地養殖」をし、飼料原料も日本と同じものを使用していて、日本向けの輸出品なので、日本の規定にあったうなぎを生産し、輸出しているそうですが、中には飼料原料コストを抑え安く販売していることもあります。
③大きさ
国産では1尾160g程度、中国産の1尾は330g程度となっています。
④種類
国産のうなぎはニホンウナギという種類です。
日本の南2000㎞ほどのところにあるマリアナ海嶺で生まれたうなぎの幼生が海流に乗って日本近海に流れ着き、河口付近でシラスウナギとして育ち、それを捕獲して養殖するのです。
中国産のうなぎは、北太平洋のサルガッソー海と呼ばれる海域で生まれたシラス(うなぎの稚魚)を捕獲して養殖したもので、ヨーロッパウナギと呼ばれています。
養殖?天然?
市場に出回るうなぎには、天然うなぎはほぼ含まれません。一般的に食すうなぎのほとんどは、養殖されたうなぎです。
うなぎは卵から育てることが難しく、回遊してきたうなぎの稚魚、シラスウナギを捕獲し、養鰻場で養殖したものが販売されます。
実は、うなぎの産地は稚魚が捕獲された場所ではなく、養殖された場所になるのです。
例えば、ヨーロッパウナギの稚魚を仕入れて日本で養殖すれば国産となりますし、逆にニホンウナギの稚魚を中国で養殖すれば中国産、ということになります。
また、うなぎは「絶滅危惧種」に指定されており、現在存在する天然うなぎは大変希少価値があります。ただし一概には、希少価値=美味しいとは言い切れません。
手間暇かけて適した環境で良質な飼料原料をふんだんに与え、脂の乗った極上うなぎの方が美味しい場合もあります。
中国産と国産、うなぎの見分け方は?
➀うなぎが国産なのか、それとも中国産なのかを見分けるもっとも簡単な方法は、製品のラベル表示です。食品には産地情報が入っていることも多いので、まずは製品のラベルを見て、産地を特定しましょう。
②一般的に、中国産のうなぎは身の幅が大きく肉厚、皮も厚めとなっています。
それに比べて国産うなぎは身が細く、身と皮が薄めで全体的に引き締まっています。
③値段が比較して高いのが国産うなぎです。
この値段の違いは、ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲高が減っていることが大きな要因となっています。
ヨーロッパウナギの稚魚は比較的安定して確保できるため、ニホンウナギより価格が安いのです。
④小骨のサイズ
気づきにくい点かもしれませんが、国産のうなぎは中国産に比べると小骨が比較的小さいです。小骨が小さいのに加え、量も少ないためストレスを軽減してうなぎを堪能することができます。魚の骨が苦手なお子様でも食べやすいです。
味の違い
国産と中国産ではまず食感に違いがあり、国産のうなぎは身が薄く固めであることに対し、中国産のうなぎは、身や皮が厚く弾力が強いのが特徴です。また、中国産のうなぎは脂の乗りがよくサイズも大きいことが特徴です。
それに対し国産はあっさりとしていて風味が強いことが特徴で、サイズも小さめになります。
そして、国産の鰻はニホンウナギという種類ですが、中国産の鰻は主にヨーロッパウナギという種類です。種類や育て方が違うため、味や食感にも大きな差が出るのです。中国産など海外で獲れたうなぎを販売するお店も多くなっているため、身近な食材であるといえます。どちらにも良さはありますが、身がしっかりとした鰻がお好みの方は、中国産ではなく、国産のうなぎを選ぶのがオススメです。
美味しいうなぎの選び方
スーパーなどでパック入りのうなぎの蒲焼きを購入するケースも多いでしょう。このような商品を選ぶ際のポイントは「幅の広い平らなうなぎ」を選ぶことです。
一見、厚みのあるうなぎのほうが、身がふっくらとしていておいしそうに見えますが、皮が固い可能性があります。皮もやわらかいおいしいうなぎを選ぶなら、平らなうなぎを選んでみてくださいね。
産地 | 特徴・違い |
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鹿児島県産 | 生産量、流通量はトップクラス。温暖な気候ときれいで豊富な地下水が養殖に適している。 大量に生産をしているため、比較的リーズナブルに手に入る。 |
宮崎県産 | うなぎ養殖の新興地。水質の良さから臭みの少ないうなぎが生産できるといわれている。 「地質に恵まれ、池の水が自然とろ過されるため、臭みが少なくなる」とのこと。クセが少なく、また価格的にもリーズナブルなものが多い。 |
愛知県産 | 西尾市での生産が盛ん。矢作川の水を用い自然に近い環境で育てているのが特徴。 西尾市一色町での生産が盛んで、一色ウナギというブランドとして業界内でも高く評価されており、正に「ハイクオリティなウナギ」といえる。 |
静岡県産 | うなぎの養殖発祥の地ともいわれる。代表的な生産地は浜名湖周辺。 浜名湖周辺は、関東風と関西風の境目あたりでもあり、ほかの地域よりも白焼きを盛んに食べたり、刺身の商品にもトライしたりと、さまざまな食べ方がされています。 |
高知県産 | 養殖にボイラーを使わず、低温でじっくりと自然に近い育て方をする低温ウナギといったものもあり、しっかりとした身と適度な脂でおいしくつくられています。 |
天然うなぎ | 養殖うなぎの体色は背側が青みがかった黒色、場合によっては銀色とも表現できる色で、腹側は白色です。一方、天然うなぎは背側が緑色~黒色、腹側が黄色味を帯びています。 |
中国産 | 身や皮が厚く弾力が強いのが特徴で、中国産のうなぎは脂の乗りがよくサイズも大きいことが特徴。 |